丘に挟まれた谷を流れる川のほとりに無数の離れが点在し、細い路地でつながれた一帯が、<谷の集落>を形成する。
星のや軽井沢は、そんな美しくも懐かしい日本の原風景を、時代に合わせた新たな視点で蘇らせた、他に類を見ない個性的な温泉リゾートです。
地中熱をはじめとする自然エネルギーの活用により、使用するエネルギーの7割以上を自給するという、環境に最大限の配慮をしたエコ・リゾートでもあります。
中軽井沢の駅から徒歩数分。国道を少し入った辺りに、星のやのサイン表示が現れます。
施設自体とやや離れた場所に、このように宿のイメージを投影したサインを設置するのは、海外の高級リゾートホテルでもよく見られますね。
宿泊客がまず訪れるのは、少し奥に入った所にあるレセプション棟。
インドネシアの打楽器がオブジェのように置かれた広々とした空間にはフロントデスクがあるわけではなく、広大な敷地への入り口、または宿泊施設への中継地点でといった感じでしょうか。
ソファに腰掛けて、ウェルカムドリンクを飲みながら、チェックインの手続きです。
ここから専用車に乗って裏山を越え、宿泊する離れ家までスタッフが案内してくれます。
案内係の説明を聞きながら、広大な敷地を車で進むこと数分、離れが点在する山里に到着です。
更に路地を入った先の該当の離れまで、専用車で横付けし、荷物も部屋内まで運び入れてくれます。
土塗壁風の建物と、裏木戸のような格子の入り口。少々地味な感じではありますが、水辺に向いたテラスを<表舞台>と見立てれば、 こちらは裏側という事で頷けなくもないですね。
どことなく懐かしさを覚える広い玄関。
室内への段差もなく、バリアフリー的な配慮を感じます。
テーブルの上に置かれたメッセージ。
宿のコンセプトを明確に伝える事は、宿泊客が充実して過ごす為のヒントを与えるという意味で、意外に重要な事かも知れません。
部屋に入ってまず目に入ったのが紫色の壁。一歩間違うと大きくイメージを違えてしまう、紫という危険な色を、絶妙な<和>のトーンに仕上げています。
只、内装の配色や間取りには無数のバリエーションがあるようで、この部屋はあくまでもその一例に過ぎませんので、念の為。。。
ベッドではなく、高座に置かれた布団というのも、和風モダン的な感じです。
様々な体勢でくつろげる、座面の広いソファ。高さも低くしてあり、ソファの上で胡坐をかくなんていうのも、妙に自然に見えるから不思議。
床は麻織りのようなカーペットで、その適度な凸凹感はずっと裸足で居たくなるような心地良さ。しかも床暖房なんです。
高い天井を横切る桟から照らされるスポットライト。
明るすぎない事が、かえって部屋の雰囲気を引き立ててもいるようです。
部屋の一角にはスタイリッシュなCDプレイヤーと共に、<ゴンチチ>などいくつかのCDが備えてあります。
部屋と同じトーンで統一された洗面スペース。
ちなみに部屋からここに至るまでの廊下にも床暖房が入っていて、快適この上なしです。。
星のやのロゴが入ったアメニティーグッズ。
写真上部に見えるのは、巾着の小物入れで、これ、けっこうイケてます。
伊豆石と檜を組み合わせた風呂。
広さはそこそこですが、かなり質感は高いです。
木製のブラインド越しにテラスが見えます。
ブラインドを上まで目一杯上げて、窓を開ければ、ほぼ露天風呂気分です。
風呂場にあったメッセージ。
月ごとに趣向を変えているのでしょう。
お湯を張った湯船。
浴槽の縁に並ぶ黄色の物体が、お風呂に入れると芳香を放つというマルメロ。
窓枠が木製というのも、細部へのこだわりを感じます。
テラス越しに望む、向かいの離れ家。
部屋の窓も重厚感のある木枠で、その高さは3m近いのではないのでしょうか。
テラスからの景色。
各戸の間取りや、建物の配置角度が微妙に異なる為、変化に富んだ景観が産み出されています。
前面の川の水面に浮かぶ無数の白い物体。これは夜になると明かりが燈される行灯です。
<水波の部屋>というタイプのこの部屋。
テラスの木製デッキから川の水面まで30㎝ほどでしょうか。まさに水辺の集落といった感じです。