さて、オーバル棟の全容が掴めたところで、ベネッセハウス周辺の散策に出かけます。
こちらは頂上付近のモノレール乗り場。
呼び出しボタンを押して、待つこと3分ほど。
やってきました。
急斜面を健気に上ってくる小さなモノレールが。
このモノレールからの景色がまたイイんです。
なんとなくタイの離島にでもいるような気分。
急峻な斜面を下るに従い変化し続ける景観。
単なるハイキングコースか何かのようで、おおよそモノレールの通る道とは思えないワイルドなルートを進みます。
そもそも6室の宿泊客しか利用しないのですから、ほぼ貸切状態。
モノレールというより、観覧車のようなプライベート感がなんともイイ感じです。
ミュージアム棟に到着後は、ベネッセハウスの敷地を出て散策。
海沿いの道を進んでいくと眼下に、隠れ家的な美しい佇まいのビーチを発見。
海水浴シーズンも終わり、人ひとりいない風光明媚な砂浜。
瀬戸内海だけに、湖の畔のように穏やかな波打ち際。
静かに寄せては引く澄んだ水を眺めていると、時が経つのをしばし忘れてしまいます。
ビーチから海沿いの道路に上がると、なにやら地面に突き刺さる三枚の四角い金属板が。空から降ってきた何かの破片なのか!?
実はこれ、島中に点在する屋外アートのひとつで、作品名は「三枚の四角形(Three Squares Vertical Diagonal)」。そのまんまですね。
更に海沿いに進んでいくと見えてくるのが、冒頭で複数あると言ったベネッセハウス宿泊棟のひとつ「ビーチ」。4棟ある宿泊棟の中で最も新しく、そして最も海に近い棟です。
ウッドデッキの遊歩道を更に進んでいきます。こうして散歩しているだけで、ほんと清々しい気分に浸れます。
ところ変わって、こちらは、ベネッセハウスも含めた島南部の美術館エリア、「ベネッセアートサイト直島」にある美術館のひとつ、「地中美術館」。
安藤忠雄氏設計の建築に、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームス・タレルと、ごく限られた芸術家の作品が恒久設置されています。
それぞれの作品の為だけに創られたといっても過言ではない個々の空間が、その対象作品と見事にシンクロし圧倒的な存在感を放つという、非常に贅沢な美術館です。
館内は撮影禁止につき、その息を呑むような空間をお見せできないのが残念。。。
施設全体が丸ごと山肌に埋め込まれたような地中美術館。
写真はその敷地からは対岸の山を望んだ景色です。
対岸の丘の上と中腹部に見える建物が、ベネッセハウスです。
丘の頂にほんの少しだけ垣間見える展望台のような建物が、先述したオーバル棟です。
あの頂に僅か6室しかないというのが、如何に贅沢なことか、外から見て改めて実感します。
そして右下方に目線をずらしていくと、こちらはミュージアム棟。オーバルほどではありませんが、海を基準にすると、かなり高台にあることが見て取れます。
そして、ここでいきなり最後となりますが、こちらは地中美術館に至るまでの道沿いに設けられた庭園、その名も「地中の庭」。
モネが描こうとした風景を見事に再現したような、表情豊かな蓮池。
実際にその場に佇むんでみると、ほんとに絵画の世界に入り込んでしまったかのような錯角すら覚えました。
、、、というわけで、長々と書いてまいりましたが、小豆島と直島、どちらも見どころには事欠かない、とても魅力的な島でした。
特に直島に関しては、島をステージとしてのびのびと自己主張する芸術作品の数々に触れてみて、改めて自然と人間、そして芸術との関係性というものを考えさせられました。
皆さんもぜひ一度、「島 × アート な旅」を体験してみてはいかがでしょうか。