笑える実話 「交差点」

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これも芝パークホテルでのアルバイト時代の話。
ロビーに立っていると、オーストラリア人と思しき男性の宿泊客が近付いてきて、道を尋ねられた事があった。

「Is there any janapese noodle shop around here?」
(この辺に蕎麦屋はある?)

「Yes.I’ll explain the approach to you.」
(はい、行き方を説明しますね。)

「Thank you.」
(お願いします。)

「First of all,go straight to the right on the street in front of this hotel.
And turn to the left on the third street.
When you go straight about 100 meters,you can see a big xxxxxx.So...」
(まずホテル前の通りを右方向に直進して下さい。そして3本目の通りを左折します。100m程直進すると、大きな交差点が見えますので、、、)

と、ここで私の話を遮るように彼が聞き返してきた。

「Excuse me?」
(何だって?)

「Big xxxxxx.you know.」
(大きな交差点ですよ。)

「Big xxxxxx?」
(大きな交差点だって?)

私は再度、大きな声で言い返した。

「Yes,Big xxxxxx!」
(はい、大きな交差点です。)

男性は首をかしげながら怪訝そうな表情をした後、何かを思い巡らすように目線を上に向けると、やがて吹っ切れたように明るい笑顔で言った。

「Okay.Thank you!」
(わかったよ。ありがとう!)

そして先の説明を聞かないまま、手を振ってホテルの玄関から出て行ってしまった。

はて?
なぜ彼は「交差点」という言葉を何度も聞き返したのだろうか。道を尋ねている時に「交差点」という言葉が出てくるであろう事くらい想定できるだろうに。それとも、私の発音がよほど悪かっただろうか?

そんな事を考えているうちに、やがて仕事が終わり、気になっていた「交差点」という英単語の発音を確かめようと、カバンに入っていた英語辞書を開いてみた。

 < こうこう、こうこく、こうさ、こうさてん、、、。 あっ。>

開いたページを見た私は愕然とした。

「 交差点 」、それに対応する英単語は、、、
「 intersection (インターセクション) 」
とあった。

一方、私が彼に何度も発した単語というのは
「 insect (インセクト) 」     
であった。

 < やばっ。単語間違えた。。。>

次に、恐る恐る「insect」という単語が掲載されたページを開くと、そこには、「 昆虫 」と記されているではないか。
つまり私が彼にした説明の後半は次の様な意味になる。

「100mほど直進すると、大きな昆虫が見えますので、、、」

意味不明である。

結局その後、ホテル内で彼と再会する事はなく、無事に蕎麦屋を見つけられたかどうかはわからなかった。

何度聞いても 「大きな昆虫っ!」 と強い口調で連呼する私を見て、きっと彼は豊かな想像力を膨らませ、巨大な昆虫のオブジェか何かが蕎麦屋の目印に違いないと、それをひたすら探し続けたような気がしてならない。

皆さんも、英単語の覚え違いにはくれぐれもご注意を。

(終わり)
       
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