2CV 故障と戦う奮闘記

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2CVと依田の庄

性能面など全く考慮せず、勢いで買ってしまった2CVでしたが、購入から今に至るまで、車に対する私の無知も相まって、実に様々な故障やハプニングを経験してきました。

「あぁ、やっぱりね。」と頷けるようなものから、「そりゃ、あり得ないでしょ?」といった意外なものまで、私の2CVにまつわる数々の「今だから笑える」エピソードの一部をご紹介します。

なお、ここにご紹介する出来事は、私自身の不注意やその他の原因による部分も多く、あくまでも私の所有する2CVに起きた事です。2CVという車全体に当てはまる内容ではありませんので、念の為。。。

< エピソード1 > 恐怖!走行中にハンドルが!!

2CVを購入してまだ間もない頃、ある小さな交差点で信号待ちをしていた時の事です。

やがて信号が青になり、車が交差点中央付近にさしかかった時、突然、エンジンが止まってしまいました。
とっさの判断で、ブレーキを踏まずに惰性で車を進ませつつ、何度かキーを回しましたがエンジンは一向にかかりません。 そうこうしているうちに、対岸のガードレールが接近してくるではないですか!

というものも、進んできた道路と、これから進入する道路とが数mほどズレている交差点だったのです。

このままではガードレールにぶつかると思い、エンジンは諦めて、ハンドルを右に切ろうとした瞬間、今度は 「ガチャン」という力強い音と共に、なんと走行中だというのにハンドルがロックしてしまったのです!!!

一気に高まる鼓動を感じながら、少しだけ右に切れた状態でハンドルを固定された車が、そのまま惰性で交差点を抜け切り、かつガードレールに激突するギリギリ手前で止まるよう、微妙な加減でブレーキを踏みながら、ガードレールの端をかすめるようにして、 なんとか車は止まりました。

幸い交通量の少ない時間帯でもあり、結果的には事無きを得ましたが、エンストで動揺したところにハンドルロックという想定外の展開で、一瞬のうちにパニック寸前にまで陥ったという、忘れられない出来事です。

ちなみに2CVは、エンジンを止めた状態でハンドルを切ると、ロックが掛る仕組みになっています。

とはいっても、車が動いていながらエンジンが止まるなどという例外的な状況を、2CVに乗って間もない私に想像が付くはずもなかったのでした。。。

< エピソード2 > ボンネットから煙がモクモク!

これは昔、お台場に2CVで買い物に出掛けた時の事。だだっ広い野外駐車場の入り口に車が差しかかった時、突如、ボンネットの隙間から黒い煙が上がったのです。

その後、キーをひねってもセルモーターが全く反応せず、私は慌てふためきました。
「おいおい、大丈夫かい、この車?」
心配して寄って来た係員に、とりあえず駐車させてもらうようお願いし、同乗していた友人に後ろから車を押してもらいました。

駐車して調べてみると、電気系統がショートしている様子でライトも付きません。
困りました。
というのも当時の私はJAFにも加入していなかったのです。
只、不幸中の幸いだったのは、その友人が電気に詳しい人間だった事です。
西武自動車販売(かつてのシトロエン総輸入代理店)のオーナーズ・マニュアル内に書かれた電気配線図をじっと見ながら、 彼は応急処置ならできるかも、と配線の状態を調べ始めました。

それから数時間、、、車に積んでいた道具だけではどうにもならなくなり、一度場を離れ、男2人でユリカモメに乗って秋葉原に向かいました。
ハンダごてや配線修理に必要な部品を買う為です。
電気街の路地裏にひしめき合う小さな部品店を駆けずり回りながら、一通りの必要部品を買い揃えてお台場に戻った頃には、 もう午後3時を過ぎていました。

その後、友人は配線状態を確認しながら様々な方法を試してくれましたが、残念ながら復旧の糸口は見えず、やがて夜になってしまいました。 仕方なくその日は諦め、車を置いたまま一旦家に帰りました。

その日は友人に我が家に泊まってもらうことにしたのですが、彼はショートした個所が特定できないのが余程気がかりだったのでしょう。 私が所持していた英語の2CVマニュアル書「2CV Ami and Dyane 1967-90 Owner's Workshop Manual」に書かれた電気配図とずっと睨めっこ状態で、あらゆる可能性を探っているようでした。

で、翌朝、再び駐車場を訪れ修理再開です。それにしても、この時の友人の根気強さには驚かされました。結局、2日間に渡り、都合15時間前後にも及ぶ試行錯誤の末、最低限必要な配線を復旧し、車のエンジンがかかる状態にしてくれたのです。

その後、当初の目的だった買い物を済ませて、最後に駐車場の係員にお礼に行くと、「直ったのか?良かったな。」と喜んでくれ、しかも駐車場の延長料金をタダにしてくれたのです。

走行可能になった車で家に向かう途中には雨が降り出し、辺りも徐々に暗くなり始める中、ワイパーも動かずライトも付かない状態で、 途中で休み休み、辛うじて家まで無事たどり着いたのでした。 2CVという車の得体の知れなさに困惑する一方、「持つべきものは友」、、、そんな言葉を痛感した出来事でした。

< エピソード3 > 高速運転中にエンスト!?

これは、2CVに乗り慣れてきた頃の話。ある年の正月明け、2CVに乗って友人とスノーボードに行った帰りの出来事です。

夜10時過ぎ、関越の駒寄パーキングエリアまであと数キロという地点を100㎞近い速度で走行中、気のせいか「カラン」という、路上に何かが転がるよな音が微かに聞こえたような気がしました。

とはいえ車にはなんら変化も現れず、さして気にも留めていなかったのですが、そのうち、ふとある事に気付きました。

オイルランプが点灯していたのです。

只、それが今さっき点灯し始めたのか、前から点いていたのに気付いていなかったのか、はっきりしませんでした。少々気にはなりながらも、車が車だけに、ランプの 点灯自体が故障なのではないかと、そのまま走り続けました。

と、しばらくして急にエンジンの音が止み、アクセルから足裏に伝わる振動が無くなりました。

< あれ、こんな高速運転中にエンストかい? >

不思議に思いつつ、キーを何度回しても、エンジンが掛る気配はなく、止むなく路肩に車を止めました。

< なんだろ、まさかガス欠かなぁ? >

ガソリン計は既に「0」を指していましたが、その状態でも実際には数リットル残っている事がわかっていましたので、前橋で給油すれば充分と踏んでいたのです。 仕方なく眠っていた友人を起こして事情を説明し、前方に標識が見えて来た駒寄サービスエリアまで車を押して行く事にしました。

駒寄に着くと早速JAFに連絡し、ガス欠の可能性もある旨を伝えました。数十分後に到着したJAF隊員は、まず車体の下を覗き、オイル漏れをチェックしました。 オイルが滴った跡はないようでしたが、隊員は更に、懐中電灯を手に車の下に潜り込みました。

「あぁ~。」

車の下から出て来た隊員が言いました。

「いやぁ、エンジンオイルのドレイン・プラグが抜け落ちちゃってますね、これ。」

「え?オイル交換の時に外すヤツですよね?外れちゃってるんですか?」

「最初におっしゃってた、カランていう音、プラグが落ちた時の音じゃないですかね。これはぁ、、、最悪、エンジン焼き付いてるかも知れないですよ。」

「えぇっ!?」

< あの時、オイルランプが点灯したのを無視せず、車を止めてさえいれば。。。 >

この時、私は耐え難いほどの後悔の念に苛まれました。
結局、前橋インターの故障車置き場まで車共々運んではもらったものの、JAFのサービスが及ぶのもここまでとなりました。

時刻は既に11時を回り、 終電に間に合うとも思えず途方にくれましたが、結果的にはこの時、ダメもとで電話をした埼玉に住む友人が、なんとその先輩に頼み込んで二人して夜中に迎えに来てくれたのです。

その数日後、世話になっているディーラー経由で、2CVをよく扱っているという埼玉のディーラーに連絡を取ってもらい、車の移動と、実際に焼き付いていて使いものにならなくなったエンジンの 交換作業をしてもらう事になりました。

その額、しめて50万円。。。

不注意の代償は、かなり大きなものでした。
何しろ、その額は購入時の車両価格の半分を越えていたのですから。

ちなみにこの件の前、最後に行ったオイル交換というのは、馴染みのディーラーでもなく、何度か使っていたオートショップでもなく、その時、 初めて使った某大手チェーン店で行ったものでした。そんな事も含め、私自身、多くの教訓を得た痛恨の出来事でした。

< エピソード4 > 急な坂道にご用心!

これは故障というより、2CVの性能に関係した出来事です。

1年ほど前、彼女と共に2CVで箱根に旅行した時の事。その時はオーベルジュといわれる、レストランを主体にした形態の宿に泊まったのですが、問題は、この宿の立地条件にありました。

山中の曲がりくねった一般道を少し入った脇から、斜め上方に一直線上に伸びていく急な坂道を登り切った先に、その宿はあったのです。

上部まで30~40mほどありそうなその坂は、 車道としては稀に見る程の急な坂でした。

坂の下側から状況を確認した結果、下り坂になっている前面の一般道を少し遡り、助走を付けるように斜めにその登り坂に入って行く事にしました。まぁ、そこまでしなくても、 一応車道である以上、いくら2CVでもロー・ギアで登れない事はないと思ってはいたのですが。

やがて作戦通り、一般道から斜めに切り込み、勢いが落ちる手前でロー・ギアに切り替え、その坂道を登り始めました。
そのまま順調に進み、上部の平地まであと5mという辺りで、 2CVは上にも下にも動かない拮抗状態になってしまいました。

極端に背もたれに重心が掛かり、上向きに近くなった体勢が恐怖を助長させました。バック転をする途中の体勢とでもいいましょうか、もう少しで2CVがウィリーしてしまうんではないかという不安すらよぎりました。

エンジンを掛け直そうにも、あまりの急斜面の為、一瞬でもクラッチを切ると、後ろ方向に急降下していきそうです。
もやはハンドブレーキなど何の意味も無くなり、 重心が浮いて力が入りずらいブレーキペダルを必死に踏み込んだまま維持しました。

冷静に考え、一度バックで降りるしかないと思った私は、助手席の彼女に降りてもらい、恐る恐るブレーキを弱めながらバックで坂を戻り始めました。

まるで限界水圧に達した潜水艦のように、 車体がギシギシときしむような不気味な音があちこちから聞こえてきます。
エンジンブレーキを効かせるならバックギアの方がいいんだろうかなどと考えもしました。
が、下手な事をしてギアまわりが損傷 したらエラい事になると、結局ローギアのままクラッチを少し切ってはブレーキを踏みつつ、登った時の10倍以上の時間を掛け、なんとか後ろ向きに坂を降り切ったのでした。

少々休憩して緊張を解きほぐした後、今度は、運転手の私一人で再チャレンジです。先程と同じ恐怖と緊張は二度と味わいたくないと思いながら、願いを込めて坂道に突入しました。

先程より勢いはないものの、トコトコと地道に坂を登り続けた2CVは、なんとか私一人を坂の上まで運ぶ事に成功したのです。

その晩、宿の人に、あの坂が急過ぎて登れない車も少なくないのでは、と聞いてみたのですが答えはこうでした。

「いやぁ、いくら何でもローなら登れるでしょ~。」

どうやら坂が急過ぎたのではなく、2CVの馬力が及ばなかっただけなのかも知れません。。。

以上、2CV 故障と戦う奮闘記? でした。

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